連続講座『文化財もの知り学2013』第3回は、7月6日に「探求・古墳時代の木工と集落-草津市中沢遺跡の調査から-」と題して、当協会調査普及課主任小島孝修さんが講師を担当して開催されました。小島さんは、草津市中沢遺跡の平成23年度の発掘調査と、平成24・25年度の整理調査を担当しましたが、それらの調査を通じて得られた成果について、お話ししました。中沢遺跡は、湖南平野の沖積地で営まれた弥生時代・古墳時代の集落遺跡としてよく知られていて、この調査では主に古墳時代前期の遺物が川の跡などから見つかっています。標題に「木工」とあることからもわかるように、土器だけでなく、木製品がとても残りの良い状態でたくさん見つかりました。しかし、不思議なことに、家と考えられる建物跡は見つかっていません。そのほか、中世や近代についても、興味深い成果がいくつか見られました。1つのテーマに沿ってのお話というよりも、発掘調査の始まりから、整理調査が終わって1冊の調査報告書になるまでの過程を解説した内容となりました。(次回は8月3日に大津市宇佐山古墳群を題材として「新発見・琵琶湖を眺めた古代豪族の墓」と題してのお話です)。
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