2010年12月5日日曜日

連続講座 モノ知り学2010 第5回「平城京のハブ港-関津遺跡の調査成果から」

 第5回の連続講座が開催されました。講師は関津遺跡の調査を担当された藤崎さんです。平成15年~19年度まで現地調査、その後整理調査を行い、昨年度(平成21年度)末に報告書が刊行されました。現地調査時には、最古級の墨書土器の発見、港湾遺構の発見、田原道の発見と毎年のように新発見があった遺跡です。講座では、田原道と平城京の関係を丁寧に説明していただきました。

2010年11月7日日曜日

第1回探訪「天下を扼す橋を訪ねる」


瀬田川の左岸で解説中(奥が現在の唐橋)
 今日は「天下を扼す橋を訪ねる」ということで、瀬田の唐橋をスタートし、推定東山道を歩きながら、堂上遺跡→建部大社→中路遺跡→青江遺跡→近江国庁→惣山遺跡(希望者)のルートで歩きました。

 よい天気で、歩いていると汗ばむ陽気で、ウォーキング日和でした。

 唐橋を13時にスタートしました。旧唐橋の橋脚がみつかった岸辺に立ち解説をしました。

堂上遺跡
 周りに木が茂って薄暗い堂上遺跡では、まだ蚊が飛んでおり、何箇所か刺されてしまいました。

青江遺跡
 どの遺跡も現状では、地面の下にしか残っていませんが、参加者の皆さん熱心に今日の解説者平井氏の話を聞いていました。
 遺跡の立地や近江国庁関連遺跡の成り立ちを理解するのには非常に良いルートだったようで、参加者の方には非常に好評でした。また、瀬田周辺にお住まいの方も、なかなか現地がわからず、なかなか行くことができないということで、満足していただけたようです。
 
近江国庁跡
 ほぼ、予定時間いっぱいの16時に国庁跡の北東隅に位置する御霊神社にある推定国庁建物の礎石を見た後、解散しました。

 また、せっかくここまで来たということで、希望者のみ倉庫群がみつかっている惣山遺跡も見学に行きました。結局、3分の2の人が参加してくださいました。

2010年11月4日木曜日

秋の考古学体験学習「縄文食を食べよう!」

 滋賀県埋蔵文化財センターにて、「縄文食を食べよう!」を実施しました。午前1回・午後1回で合計9名の参加がありました。メニューは、「縄文時代風スープ」「ドングリ入りハンバーグ」「ドングリクッキー」の3つです。調理には、職員が復元した石器のナイフで野菜や肉を切りました。石器は、想像以上に切れ味が良かったので、参加者の皆さんは驚かれていました。また、その他にも、石皿・磨石を使って、ドングリの殻を割り、中身を取り出して粉にしました。普段使わない昔の道具での調理や、初めて食べるドングリ料理の味を参加者の皆さんは楽しめたようでした。

2010年11月3日水曜日

秋の考古学体験学習「鍛冶体験」



  滋賀県埋蔵文化財センターにて、「鍛冶体験」を実施しました。午前1回・午後1回で合計24名の参加がありました。鍛冶体験は、熱した釘をハンマーで叩きのばし、砥石で刃を研ぎ出してオリジナルナイフを作るというものです。参加者の皆さんは、苦戦しながらも自分で一生懸命に作ったナイフの切れ味に、大変満足した様子でした。


 
熱した釘を叩きのばす様子
 
刃を研ぎ出す様子


2010年10月30日土曜日

秋の考古学体験学習「草木染めに挑戦!」

  滋賀県埋蔵文化財センターにて、「草木染めに挑戦!」を実施しました。午前1回・午後1回で合計22名の参加がありました。今回は、絹の布を「茜(あかね)」と「かりやす」を使い、茜色と黄色・深緑色の3色に染めてもらいました。
かりやすの媒染の様子
染色した作品を干す様子

会場の様子


 当日はあいにくの空模様でしたが、普段なかなか入手できない古の染色材料を使って染めあげた美しい色合いに、参加者の皆さんは満足の様子でした。

2010年10月23日土曜日

秋の考古学体験学習「草木染めに挑戦!」

茜の染色液で煮染めしている様子
布を媒染液で煮ている様子



 滋賀県埋蔵文化財センターにて、「草木染めに挑戦!」を実施しました。午前1回・午後1回で合計11名の参加がありました。今回は、絹の布2枚を「茜(あかね)」と「かりやす」を使い、茜の茜色とかりやすの黄色・深緑色の3色を染めてもらいました。
 古くからの染色材料ならではの美しい色合いに、参加者の皆さんは驚かれていました。

2010年10月22日金曜日

【動画】ミニ戦(いくさ)サイズ~信長軍団の長槍戦法に挑戦~

 8月29日に安土城考古博物館で実施しました体験『ミニ戦(いくさ)サイズ~信長軍団の長槍戦法に挑戦~』の動画を掲載しました。
 織田信長が新規に導入した長槍は実際に戦闘で有効だったのか。体験学習の場で実際にやってみました。冒頭の鏑矢の音にも耳をすませてみてください。
 ちなみに鏑矢も長槍も職員の手による自作です。

2010年10月17日日曜日

連続講座 モノ知り学2010 第4回 「天下を扼す橋-唐橋を渡った日本の文化-」

第4回の連続講座が開催されました。講師は大沼さん、昭和62~平成元年にかけて調査を行った唐橋遺跡の調査成果をもとに、唐橋の日本史において果たしてきた役割について話しました。大津の宮の時代~近世に至る時代ごとの橋にまつわるエピソードから嘴・箸・端・橋と同音異義、近江八景の「瀬田の夕照」と幅広い話題で盛り上がりました。

2010年10月16日土曜日

秋の考古学体験学習「縄文食を食べよう!」




 
ドングリの殻を割る様子

 滋賀県埋蔵文化財センターにて、「縄文食を食べよう!」を実施しました。午前1回・午後1回で合計9名の参加がありました。メニューは、「縄文時代風スープ」「ドングリ入りハンバーグ」「ドングリクッキー」の3品です。調理には、職員が復元した石器のナイフで野菜や肉を切りました。石器は、想像以上に切れ味が良かったので、参加者の皆さんは驚かれていました。また、その他にも、石皿・磨石を使って、ドングリの殻を割り、中身を取り出して粉にしました。普段使わない昔の道具を使った調理や、初めて食べるドングリ料理の味を参加者の皆さんは楽しめたようでした。

2010年10月9日土曜日

関西考古学の日2010記念講演会「縄文のアートと文化」

すぐに足元が濡れてしまう大雨でした
関西考古学の日記念講演会が滋賀県立図書館の大会議室で開催されました。関西考古学の日の開催は一昨年前から始まりました。近畿地方で活動している調査法人が相互連携を深め、幅広い方々に文化財に親しんでいただくイベントとして立ち上げました。
講演会は、昨年度から始まったイベントで昨年の奈良大学に続く第二回の開催になります。

関西の縄文の魅力を語る水ノ江さん
当日は残念ながら大雨となってしましました。午後からの開催で、午前中の準備の時は小雨で何とかなりそうでしたが、受付を始めたころから、本降りになってきました。あーあ。
しかし、その雨の中、お客さんは熱心な足を運んでくれました。

講演会の内容は水ノ江和同さん(文化庁)の『縄文文化の魅力-関西からの発信-』・瀬口眞司さん(滋賀県文化財保護協会)の『縄文アーチストの秘密-宿り、宿られる土偶の語るもの-』・高橋潔さん(京都市埋蔵文化財研究所)の『関西人はどのようにして農耕をはじめたか?-京都市上里遺跡の調査成果より-』の3本でした。

土偶について語る瀬口さん

それぞれ1時間程度の講演で、関西を中心とした事例から縄文時代の魅力について熱く語っていただきました。

講演会の後は、希望する方に、この記念講演会に合わせて会場に隣接する滋賀県埋蔵文化財センターで開催している『縄文のアートと文化』展を解説付きで観覧していただきました。

この展覧会は、11月20日まで開催されています(日曜閉館)。興味のある方は、ぜひ足をお運びください。

縄文時代の農耕について語る高橋さん
熱心に調査員の解説を聞いていただきました

2010年10月3日日曜日

まるごと佐和山城

鳥居本で開催されたイベント、「まるごと佐和山城」にて佐和山城遺跡出土遺物の展示と発掘調査現場跡地での説明会を実施しました。


鳥居本町内の四ツ目屋敷の展示コーナーでは、2009年夏に新聞の一面を飾った桐文銅製紐金具の他に鉄砲玉や明銭・小柄の他、ふいごの羽口や石仏なども展示しました。

当日は雷雨の予報にもかかわらず午前中はとてもいい天気で、大勢の方が発掘調査現場跡地にもお越しくださいました。

佐和山城遺跡に関して実施した発掘調査現地説明会・地元説明会の資料はこちらからダウンロードしていただけます

2010年9月5日日曜日

連続講座 モノ知り学2010 第3回 「銭が語る古代近江-祭祀と経済-」

今日は銭のはなしです。まだまだ暑い中、多くの受講生の方が参加してくれました。
銭といっても様々な銭がありますが、講師の内田さんがかかわった尼子西遺跡出土の「無文銀銭」から銭を語っていただきました。また、考古資料のみならず文献資料も豊富に使いながら、古代の人々が銭に対して考えていたことに迫りました。最後には、現代に生きるお金にまつわるお祭りでしめくくりました。

2010年8月29日日曜日

ミニ戦(いくさ)サイズ~信長軍団の長槍戦法に挑戦~

野玉先生の鏑矢の実演
 このイベントは、同博物館で開催した展示会「戦国の琵琶湖(うみ)~近江の城の物語~」に関連行事として、実施しました(午前・午後各1回)。

 親子31組76人が信長軍に扮し、信長軍が使用した長さ6間半(約7m)の長槍(のレプリカ)をもって模擬戦(戦サイズ)を行いました。

 滋賀県弓道連盟の野玉隆文先生の鏑(かぶら)矢の発射を合図に、約20m離れた敵陣地に攻め込み、敵の盾にとりつけられた風船をすべて割ったら終了です。




長槍を上手くつかえるかな




 終了までの時間を測って、最短記録を競いました。長槍は予想以上に重く、子供たちだけではあつかいがなかなか難しかったのですが、お父さん・お母さんの助けもあって、信長軍の勝利で無事終了しました。




敵陣に攻め込み風船を割ります
 最短記録を出した組の子供たちには、スイカ割りをやってもらいました。その後、開催中の展示を職員の解説付きで見学しました。夏空の下、短時間でしたが、戦国体験を楽しんでいただけたのではないかと思います。

2010年8月22日日曜日

第1回 古代の火起こし選手権

毎年恒例になった「レトロ・レトロの展覧会」。今年は例年行っている火起こし体験をグレードアップ!!
 親子部門、小学生高学年(4年生以上)部門、お父さん・お母さん部門の3部門で火起こし器による着火スピードを競いました。当日受付で参加費は300円(保険料・参加賞)。しかし、最高気温が36℃を越える猛烈に暑かったです。 いつもは図書館に向かう人が通り過ぎて行くのに、全く人通りナシ。

その様な中でも、約60人の人がチャレンジしてくれました。親子部門ではお祖父さんとお孫さんのペアが好記録出しました。お孫さんも鼻高々でした。
もうお疲れの様子の小学生
親子部門で奮闘するお母さん
  小学生高学年部門では、予選では着火していましたが、決勝戦では10分以上頑張っていましたが最終的に誰も着火できず、じゃんけんで順位を決めました。
  上位入賞者は、協賛企業さんからの豪華な副賞が進呈されました。

記録を順次掲示しました
記録は以下の通りです。

お父さん・お母さん部門 1位  49秒31 2位 1分07秒00 3位 1分44秒25

小学生高学年部門    1位 2分38秒47 2位 5分26秒00 3位 5分51秒68

親子部門        1位  40秒72 2位 2分15秒00 3位 2分23秒03

来年もぜひ『第2回 古代の火起こし選手権』開催したいと思っています。

2010年8月14日土曜日

勾玉を作ろう!(イオンモール草津)

お盆休みもそろそろ終盤となったこの日、イオンモール草津店で出張体験イベント、勾玉を作ろう!を実施しました。
11:00~/13:30~/15:30~ 各回30名、参加費500円



スタッフの説明を聞いて、いよいよ作業開始です。
勾玉の形に切った蝋石を水につけながら、やすりで削っていきます。
お父さんやお母さんに手伝ってもらいながら作る子や、ひとりで黙々と角を整えていく子に混ざって、一心不乱に削るお父さんの姿も…



会場では実際に県内の遺跡から出土した勾玉や、現代でいうピアスのように耳にはめるアクセサリーの他に、勾玉を作るときに古代の人が使った道具も展示しました。


大型ショッピングセンターでの体験イベントは不定期に実施しています。
開催に先立つお知らせは滋賀県文化財保護協会のホームページで公開しているほか、年4回発行している文化財福袋(ダイレクトメール)でお知らせしています(送料・購読料無料)。

2010年8月1日日曜日

連続講座 モノ知り学2010 「発掘!!古代の物流の実態-彦根市六反田遺跡の発掘調査から-

今日は本当に暑い!!こんなに暑い中、たくさんの受講生が参加してくださいました。
講座の内容は、講師の堀さんが調査に関わった彦根市の六反田遺跡の調査成果をもとに、古代の物流拠点とはどのようなものであったのか、また、物流の視点からみた近江・琵琶湖に迫りました。

2010年7月24日土曜日

勾玉を作ろう!!(フォレオ大津一里山)

心配をよそにたくさんの方が参加してくれました
 大津の瀬田駅からバスで10分程度のところにある中規模のショッピングモール「フォレオ大津一里山」で勾玉製作体験を行いました。
参加費 500円(保険料・材料費)
実施時間 11:00/13:30/15:30 各定員30名

 ここは、私たちの事務所がある瀬田の文化ゾーンから歩いて10分ほどの場所にあり、いわばお隣さんのようなところです。まだ出来て2年足らず、程よい大きさの地元に密着した商業施設です。
初めての場所で行うイベントはいつも「人が入るだろうか」という心配と協力いただいている施設の方に迷惑をかけてはいけないという緊張感でドキドキです。

本物アクセサリーに興味津々の子供たち
  その心配をよそに、朝10:00の開店と同時に受付に列ができ、一回目は15分で定員が埋まりました。その後も順調に参加者が伸び、13時頃には3回目までの定員を埋めることができ、途中からはお断りしていました。本当にありがたい話です。

 参加者は、小学生の高学年の子供たちが多く、最後まで自分の作った勾玉の仕上がり具合にこだわっていました。
子供達も真剣です
 また、遺跡から出土したアクセサリー(縄文:玦状耳飾り 弥生:管玉等 古墳:ガラス玉、管玉、勾玉)を展示ケース一本分持って行きました。それを参加者の子ども達に説明すると興味津々でみていました。

2010年7月18日日曜日

京阪電車ラッピング-文化財号Ⅱ


子供達もお手伝い

 昨年度から走っていた粟津貝塚をフュチャーした文化財号Ⅰに代わり、文化財号Ⅱのラッピングを行いました。

 ラッピングは、特殊なフィルムにこちらでデザインしたイラストを京阪さんの方で印刷していただきます。それを、車両に霧吹きで水を吹き付け、バレンを使いながら貼り付けて行きます。上手くやらないと空気が入ったり、しわが寄ったりしてしまいます。やはり、大きかったり、長いシールになればなるほど難易度が高くなります。 


みんなで手分けして貼っていきます

 本当に日差しがきつく午後からは照りつける日差しの中、補助員さんと手分けしながらシールを貼っていきました。今回の内容は、当協会の40周年記念号で県内の文化財(出土遺物)を主に取り上げています。

 玉・鏡、土偶、埴輪、木簡、瓦といったものを取り上げ、かわいいキャラクターが遺物を身につけたり、遊んだりしていて、非常にかわいい仕上がりになっています。個々の遺物に目を凝らしてみると最近話題になった東近江市相谷熊原遺跡出土の日本最古級の土偶が控えめに描かれています。探してみては。

最後にヘッドマークの文化財弁天を貼り付けてます

 車内には、発掘調査の流れを写真を使って解説をしています。
京阪石坂線を一日6往復走っており、乗車してみてはいかがですか?




2010年7月17日土曜日

戦国の琵琶湖―近江の城の物語― ギャラリートーク


滋賀県立安土城考古博物館で9月26日まで開催中の「戦国の琵琶湖」が始まりました。
この日は開催初日、館長のあいさつもあり、さぁどうぞ展示をご覧ください…
あやしい人影が…

…と思ったら会場に何やらあやしいヤツ…!?
実はこの忍者、ギャラリートークの解説員です。
展示で取り上げているお城の調査に携わった専門調査員が、忍者の格好で解説しているんです。
知られざるお城の調査の秘密、悲喜こもごもを含め、展示品の細かい解説をじっくり1時間にわたって行いました。

この展示は9月26日まで開催されています。
詳しくは安土城考古博物館のホームページをご覧ください。

2010年7月4日日曜日

連続講座 モノ知り学2010 「古代の水路と陸路-近江のネットワークの原型を探る-」

 今日は、本年度の連続講座の初回です。今年度は「都を支えた近江そして琵琶湖」とテーマを設け、古代の物流や経済の視点から、近江の特性に迫っていきます。
 初回は、講師の辻川さんが近江の古代の交通路の復元について、学史から最近の調査・研究成果をふまえて、案を提示していただきました。そして、古代に完成した交通路の原型がどこまで遡れるかを考察しました。皆さん熱心に耳を傾けていました。