連続講座『文化財もの知り学2013』第4回は、8月3日に「宇佐山古墳群の発掘調査」と題して、当協会企画調査課主任中村智孝さんを講師として開催しました。宇佐山古墳群は、大津市神宮町にあります。戦国時代の武将・森可也(もりよしなり)の居城としてよく知られる宇佐山城の麓にあり、名前の通り多くの墳墓があることが知られていました。この調査では主に弥生時代後期~古墳時代初頭の方形周溝墓3基と古墳時代中期の古墳1基が見つかっています。古墳時代後期の古墳は、墳丘はすでに失われていましたが、遺体を収めた主体部はきれいに残っていました。この主体部には「箱式石棺」と呼ばれる、板状の石を組み合わせてつくられたお棺が据えられ、その中からは副葬された人骨が見つかっています。頭骨のみが残っていましたが、熟年男性のものであるようです。また、お棺の中や人骨にはベンガラや水銀朱といった赤色顔料が塗られていました。これらの調査成果を、カラー写真を多用して、わかりやすく解説されました。(次回は9月1日に大津市源内峠遺跡を題材として「探訪・丘陵に広がる古代のコンビナート」と題してのお話です)。
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