2014年2月15日土曜日

あの遺跡は今!part18を開催しました

接合体験
 強風の中、滋賀県立安土城考古博物館内調査整理課で「あの遺跡は今!Part18」が始まりました。今回は、「木製品に観る古代の智恵と技術」をテーマに東近江市蛭子田遺跡の整理調査成果と木製品の保存処理に関する報告会と展示を行いました。事前の報道などもあまりなかったので、「どうかな~~」と思っていましたが、報告会には、考古学や歴史の好きな方だけではなく、古環境や植生の歴史の研究者や学生さんにも参加いただきました。報告会終了後は、蛭子田遺跡出土の木材を目の前にして、皆さんと活発な意見交換が行われました。
蛭子田遺跡出土の木製品を解説しています
 また、ホンモノの出土品を使った拓本や土器接合などの作業体験を目指して小学生の男の子たちが、朝一番でやってきてくれました。思いっきり楽しんでいる姿に、めっちゃうれしかったです。また、夏にも、来て下さいね。待ってます! 
木製品保存処理の報告会


2014年2月9日日曜日

体験タイムトラベル・古代へGO! 古代のグルメでおもてなし を開催しました。

にこやかに解説いたします
イオンホール前通路の展示で足を止めて見ていただいてます
 21014年2月8日・9日、イオンモール草津2階イオンホールにおいて「体験タイムトラベル・古代へGO!」を開催しました。この催しは、滋賀県内で見つかった遺跡や遺物を地域の方々に身近に感じてもらおうと、毎年この時期に実施しています。4回目となる今年は、「古代のグルメでおもてなし」とサブタイトルを付け、「食」に関する展示・体験を実施しました。「おもてなし」といい、メインキャラのハルちゃんの大正チックな装いといい、時流に乗った表向きではありますが、内容は手堅くしました。展示では、旧石器時代から江戸時代にかけての食物・調理具・食器などを並べました。今年は守山市教育委員会さんとのコラボ企画で、弥生時代の環濠集落である国史跡下之郷遺跡を中心としたコーナーも設け、ココヤシ容器などの珍しい遺物も展示しました。
 このように気合を入れて準備したものの、初日(8日)はあいにくの大雪。我々スタッフさえも会場に時間通りたどり着けるか心配されましたが、1人も遅れることなく会場入りできました。しかし、さすがにイオンモール草津への来店者は少なく、例年よりも少しさびしい500人程度の人出となりました。しかし、2日目(9日)は、その反動からか、約2,000人と多くの見学者に来ていただきました。、
オリジナルグッズ制作体験の様子
ハルちゃん
 また、煮炊きに使われた縄文土器・弥生土器の文様を粘土に付けて作るオリジナルグッズ制作体験では、子供たちが約30分ほどかけて、アクセサリーなど色々なオリジナルグッズを作っていました。
 この企画は、実物と我々調査員による丁寧な解説で、「地域の文化財を地域の人に」をモットーに続けています。次回もぜひご期待下さい。


2014年2月1日土曜日

連続講座 文化財もの知り学2013第8回を開催しました。

 連続講座『文化財もの知り学2013』第8回は、2014年2月1日に「復元・近世膳所城の秘密」と題して、当協会企画調査課主任辻川哲朗さんを講師として開催しました。当協会は、平成23 年度に大津市膳所城遺跡で発掘調査を実施しました。近世城郭である膳所城については、一帯の都市化が急速に進んだため、城内の具体的な様相はよくわかっていません。調査地は北の丸推定地に含まれていて、調査の結果、北の丸の規模や内部の区画溝や建物などの存在がわかり、区画溝などから多種多様な遺物が出土しました。調査を担当された辻川さんは、遺構と遺物の検討から、17 世紀前葉頃に北の丸において大がかりな整備がなされたことなどを明らかにしました。
 次回最終回となる第9回は3月1日に東近江市蛭子田遺跡を題材として「馬具と徳利?・渡来文化と近江の集落」と題してのお話です。

2014年1月26日日曜日

守山市吉身西遺跡の現地説明会を行いました


現地での様子
現場事務所での遺物の説明
夜中の雨で、現地が水たまりになっているかと心配しながら行くと、以外にも水があまり溜まっていなくほっと一安心。午前中は調査中に悩まされた強いビル風もなく、おだやかな天気に。説明会の始まる午後1時30分になると冷たい北風が吹き始め、一転、冬の寒さが体にこたえるようになりました。このような天気にもかかわらず、現地の説明には約130名の方が熱心に説明をお聞きいただきました。最終的には180名の予想を上回る見学者にお越しいただきました。このような天候に関わらず、多くの方々に古墳、竪穴住居や出土遺物をご覧いただき、現地説明会を行って良かったと一同感謝しております。これからも現地の公開を進めていきたいです。

2014年1月11日土曜日

連続講座 文化財もの知り学2013第7回を開催しました

県立図書館大会議室での様子
県埋蔵文化財センターロビー展示見学の様子
 連続講座『文化財もの知り学2013』第7回は、2カ月の中断期間を経て、新年明けて2014年1月11日に「「塩津湊と水運」-発掘された港まち-」と題して、当協会企画調査課副主幹横田洋三さんを講師として開催しました。琵琶湖の最も北に位置する塩津は、古代から畿内と北陸を結ぶ港として栄えてきた、琵琶湖水運の最重要港です。輸送手段が鉄道などの近代輸送にとってかわられ、輸送港としての機能を完全に失い、現在は湖畔の静かな集落となっています。当協会では、平成18年(2006)から断続的に発掘調査を行っていて、12世紀頃の神社の遺構と港の遺構を発見し、たくさんの遺物が出土するなど、多くの貴重な成果をあげています。横田さんはこれらの調査の多くを担当していて、豊富な史料を用いて、わかりやすく解説されました。講座終了後は、滋賀県埋蔵文化財センターで現在開催されているロビー展示「びわ湖の船と人びとの暮らし」で陳列されている塩津港遺跡の遺物について、希望者に解説もしました。受講者の皆さんは熱心に聞いておられました。
 次回第8回は2月1日に大津市膳所城遺跡を題材として「復元・近世膳所城の秘密」と題してのお話です。

2013年11月10日日曜日

長浜市横山城遺跡の地元説明会を開催しました

雨なので、テント下でまず説明

竪穴住居がたくさん見つかりました
  11月10日(日)に、横山城遺跡の現地説明会を地元の長浜市石田町の方々向けに行いました。今回の調査では、7世紀の竪穴住居がたくさん見つかりました。出土遺物には全体が残っているものが多いこともあり、強く関心をもって見られている方がいました。
 雨天のため参加人数は13人と少なめでしたが、参加された方々とゆっくりお話しできて楽しかったです。
見つかった遺物の説明をしています

膳所歴史資料室の秋の秋季企画展“膳所城の歴史をしのぶ”に参加しました


展示風景
展示作業をしているところ
11月1日から11月14日に、大津市の膳所市民センター2階にある膳所歴史資料室で、秋季企画展“膳所城の歴史をしのぶ”が開催されました。当協会では、平成24年度に膳所城遺跡の発掘調査をおこない、現在調査報告書を鋭意とりまとめ中です。そこで、膳所歴史資料室を運営する膳所歴史資料室運営協議会さんのお取り計らいで、1コーナー展示スペースをいただき、発掘調査の成果を一般の方々に見ていただく機会にしました。
 また、会期中の11月10日には講演会がおこなわれました。講演会は2部構成で、第1部では岩橋が膳所城北の丸跡での発掘調査成果をお話しし、第2部では大津市歴史博物館の樋爪修館長が、現在に残されている膳所城の痕跡について古写真や絵図などを元にお話しされました。当日は時折雨が激しく降る日で、しかも14時から16時半までという長丁場のイベントにもかかわらず、70名の方々のご参加がありました。また、講演終了後も講演者に質問をされる方がたくさんおられ、お集まりの皆さんの熱心に学ぼうとする気持ちがひしひしと伝わる日となりました。
 このような機会をつくっていただいた膳所歴史資料室運営協議会の皆様、ありがとうございました。そして最後になりましたが、樋爪館長!!館長の講演時間を10分も取ってしまって、本当に申し訳ありませんでした。

講演会の様子