2013年11月4日月曜日

連続講座「文化財 秋の探訪2013in彦根城」を開催しました


旧池田屋敷長屋門
秋晴れの彦根城を舞台に、連続講座受講者を対象にした探訪ウォークを実施したところ、41名の方々に参加いただきました。今回は彦根城の整備をおもに担当しておられる彦根市教育委員会の三尾さんをゲストスピーカーに迎え、「探求!彦根城調査の新成果」と題して、案内していただきました。最新の調査成果や専門家ならではの視点からみた彦根城の解説を目的としましたので、彦根城博物館の見学どころか国宝の天守にものぼらない、極めて「マニアック」な探訪ウォークとなりました。
広小路御舟入


登り石垣

 さて、集合は午後1時に護国神社へ。そこからまずは旧池田屋敷長屋門(市指定文化財)を見学、中級武士屋敷の典型例として貴重なものです。そして外堀沿いに埋木舎の横を通り、佐和口で外堀を渡って城内へ入り、左折してすぐの馬屋(重要文化財)へ。元禄時代に建てられ、常に10数頭の藩主用の馬がつながれていたといいます。そこからさらに進んで、近年発掘調査が行われて整備された広小路御舟入跡へ。現在は大半が道路の下になっていますが、一部を見学することができます。続いて、大手門橋を渡って内堀の中へ。渡る際には、橋の内詰南側に置かれた散取(ちりとり)場を見学しました。登り石垣の説明を受けた後に、大手門券売所から大手山道を登って本丸を目指します。途中、鐘の丸と天秤櫓(重要文化財)をつなぐ廊下橋の構造や石垣について説明を受けたり、太鼓門櫓手前で行われていた発掘調査の説明を受けたり。本丸では、天気が良かったため、東端の展望台からの眺めがとても良好でした。ここで少し休憩、気がつけば1時間40分歩きっぱなしでした。
 息を整えて、後半戦へ。天守の脇を通って西の丸と観音台の間の堀切を見た後、少し戻って黒門山道を下っていきます。途中、麓からてっぺんまでの比高差が彦根城内で最も大きい石垣を見たり、石垣に使われた宝篋印塔を見たり。内堀にかかる黒門橋では、左右で違う水面の高さについて説明いただきました。これは、近世段階の本来の水面高を保つ西側と、明治期に大
城内発掘調査現場

玄宮園庭園
津市南郷に洗堰ができてから下がった現在の水面高になった東側ということでした。続いて、名勝楽々園へ。ここで彦根市教育委員会の北川さんにも合流いただき、2班に分かれました。A班は特別に書院の中に入れていただいて北川さんから説明を、B班は三尾さんから庭の説明を、それぞれしていただき、その後交代しました。楽々園では平成19年に発掘調査が行われていて、その成果についてのお話しがありました。続いて名勝玄宮園へ。こちらも平成22年以降調査が行われていて、その成果を基に整備されています。ただ、玄宮園に入った段階で、当初終了を予定していた4時超え。たくさんのネタを用意していただいていたのですが、少し急ぎ足で庭園を見て回り、4時半に出口へ。詳しい資料も用意していただき、参加者の皆さんも満足そうでしたが、さすがに3時間半近く歩きまわったので、お疲れの方もいらっしゃいましたようです。
 このようなほかではなかなか参加できない特別な探訪ウォークを、当協会は今後も企画していく予定です。




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